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「ちむどんどん」まめ知識 番外編その8

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今日は6月23日、沖縄「慰霊の日」。 しかし今週のちむどんどんに沖縄戦の話題は一切無し。 そして今日の最後の写真コーナーがこれ。 画面全体から伝わる ”言い訳感・他人事感” に、言葉を失いました。 ならば私から、沖縄戦の写真を1枚ご紹介します。 * こちら、2枚目の画像は1945年6月21日に米軍が撮影した写真。 大田昌秀著「これが沖縄戦だ」の表紙になり、”うつろな目の少女”として有名に。 しかし大田氏は後に、生きていたこの少女と面会、実は男性だった事を知ります。 日本兵から手荒な事をされぬよう、親の指示で髪を伸ばし、少女に扮装していたのです。 * 写真で腕を釣り目がうつろなのは、食糧を奪おうとした日本兵から暴行を受け、肩を脱臼し目や頭に大怪我を負ったせい。 また血にまみれた服は、壕に脱ぎ捨てられた物を米兵が持参、写真を撮る前にわざわざ着せたのでした。 (大田昌秀著「沖縄戦を生きた子どもたち」より)  * “友軍”にさえ危険を感じ、息子を守ろうと女装させた父親。 たとえ少女だろうと殴りつけ、食糧を奪った日本軍。 血のついた服を着せ、演出して写真を撮った米軍。 戦争とは単に兵隊同士が撃ち合うとか、空襲から逃げるだけではない、もっと凄惨で醜悪な物なのだと、この”少女”の写真が伝えてくれます。 * #ちむどんどん #ちむどん #ちむどんどんまめ知識 #慰霊の日 #沖縄戦 #うつろな目の少女 #これが沖縄戦だ #沖縄戦を生きた子どもたち #まめ書房 #mameshobo #mameshobochimdondon  前へ 次へ

「ちむどんどん」まめ知識 第53回

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今日の「ちむどんどん」に登場した「ポークたまご」。 ポーク(ポークランチョンミート)は、沖縄では様々な料理に使われるポピュラーな食材です。 なぜ他府県に比べてこれほど広まったのかというと…。 * 王朝時代からの豚食文化を持つ沖縄。 しかし沖縄戦により畜産業が壊滅、肉の入手が不可能に。 そこで、米軍が軍用食として持込んだポークが豚肉の代用に注目され、チャンプルーや味噌汁など様々な料理に使われて普及したのです。 今もいろいろなメーカーのポーク缶が売られており、味の違いにこだわりを持つ方も多いとか。 * またポークは沖縄が日本復帰する際に「沖縄特別輸入割当品目」に指定され、県外より低い関税で輸入可能に。 そのため販売価格が他府県より安い事も、現在まで食べ続けられている一因でしょう。 沖縄戦とアメリカ世によって暮らしに様々な影響を受けた沖縄。 ポークの普及もその一つです。 * #ちむどんどん #ちむどん #ちむどんどんまめ知識 #ポークたまご #ポーク #ポーク缶 #ポークランチョンミート #まめ書房 #mameshobo #mameshobochimdondon #mameshobochimdondon053  前へ 次へ

「ちむどんどん」まめ知識 第51回

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今日の「ちむどんどん」を見た方なら、歌子の後ろにあったアレ、2つの民具が気になったはずです(え…私だけ?)。 ①は5月11日(第23回)にご紹介した「サギジョーキ」。 では②は何の道具でしょう? * あれは「クバジー(またはウブル)」といって、水を汲むための道具。 1枚のクバ(ビロウ)の葉だけで作られています。 握りの片側に重りの石を結びつけ、井戸に下ろして水面に着くと、自然に傾いて中に水が入ります。 これで井戸をかき回すことなく、上面の澄んだ水だけを汲めるのです。 * 若い女性は握り部分に装飾を施し、”カワイイ”を競った事もあっとか。 クバの葉は水を弾く性質があり、他にもクバニーブ(柄杓)やクバ笠などの水に関する道具や、クバオージ(扇子)などが作られました。 植物の特性を知り、うまく応用した昔の沖縄の人々の智恵には、驚かされるばかりです。 * #ちむどんどん #ちむどん #ちむどんどんまめ知識 #クバジー #ウブル #ンブル #クバ #ビロウ #まめ書房 #mameshobo #mameshobochimdondon  前へ 次へ

「ちむどんどん」まめ知識 第49回

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今日の「ちむどんどん」、暢子がニンジンを大量にすりおろしていました。 沖縄でニンジンの料理と言えば「ニンジンしりしり」でしょう。 そして、すりおりす道具は…あれですね! * そう、沖縄ならではの大きな「しりしり器」。 金具の目が粗く、太めの千切りが作れます。 しかも、ただ太いだけではありません! 包丁や一般的な千切り器に比べ、切ったニンジンの断面がザラッとするので、しりしりの味がよく染みて、卵も絡みやすいとの事(妻談)。 * ちなみに「ニンジンしりしり」は、戦後登場した家庭料理。 ニンジンに溶き卵とツナを加えて炒める、お手軽な一品です。 また沖縄で黄色いニンジンを食べた方もおられるのでは? あれは島ニンジン(チデークニ=黄ダイコン)。 レチノール(肌に良いビタミンAの一種)を豊富に含む、健康野菜です。 * #ちむどんどん #ちむどん #ちむどんどんまめ知識 #ニンジンしりしり #しりしり器 #島ニンジン #チデークニ #まめ書房 #mameshobo #mameshobochimdondon #mameshobochimdondon049  前へ 次へ

「ちむどんどん」まめ知識 番外編 その7

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朝ドラちむどんどん、今週月曜から1974年となり、金曜の回に突然76年まで飛びました。 つまり1975年は丸ごと省略した、という事のよう。 しかし沖縄ではこの年、大きな出来事があったのですが…。 そう、沖縄海洋博です。 * 「EXPO’75 沖縄国際海洋博覧会」は、”海ーその望ましい未来”をテーマに36カ国が参加、1975年7月〜翌年1月まで開催された、国を挙げての一大イベント。 道路・ホテルなどの大規模工事と集客・物販による経済発展が狙いでしたが、来場者数が伸びず、結果的に不況や環境破壊などの問題を残しました。 * また開会式出席のため訪沖した明仁皇太子と美智子妃が、ひめゆりの塔で過激派から火炎瓶を投げられる事件も。 開催地の本部町はやんばると近いので、歌子がコンパニオンに挑戦する・賢秀が変なグッズを売る・開会式を演出した金城哲夫(ウルトラマンの父)が登場…などの展開を期待したのですが…。 * #ちむどんどん #ちむどん #ちむどんどんまめ知識 #海洋博 #沖縄海洋博 #EXPO75 #まめ書房 #mameshobo #mameshobochimdondon  前へ 次へ

「ちむどんどん」まめ知識 第44回

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 今日の「ちむどんどん」に登場した「てびち(足てぃびち=豚足の煮付け)」。 こうした豚料理が豊富な事が、沖縄の食文化の大きな特徴。 沖縄料理は”豚に始まり豚に終わる”と言われるほど。 では、なぜそうなったのでしょう? その訳は… * かつて琉球王朝では、明国の使者「冊封使」の接待に、大量の豚料理を供しました。 そのため王府は国民に豚の飼育を奨励。 当初は宮廷の食材でしたが、やがて農民や町人も食べるように。 その過程で、贅を凝らした宮廷料理から皮や内臓も大切に使う庶民の料理まで、様々な豚料理が生まれたのです。 * 昆布と合わせてイノシン酸・グルタミン酸の2つの旨み成分が混じった事。 琉球石灰岩で濾過された沖縄の”硬水”に、肉の臭みを消す効果があった事。 それらも沖縄の豚料理を美味しくしました。 王朝の政治から庶民の知恵まで、沖縄の歴史が豊かな豚食文化を育んだのです。 * #ちむどんどん #ちむどん #ちむどんどんまめ知識 #てびち #足てぃびち #沖縄料理 #豚料理 #豚食文化 #まめ書房 #mameshobo #mameshobochimdondon #mameshobochimdondon044  前へ 次へ

「ちむどんどん」まめ知識 第42回

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今日の「ちむどんどん」より。 沖縄料理店「あまゆ」の柱に飾られた、白い笑顔のお面と扇子。 今日も賢秀の背後に映っていましたが…ちょっと気になりませんか? * 実はあれは「ミルク神」という沖縄の神様のお面と扇子。 ミルク神は八重山諸島を中心に広く信仰されている来訪神です。 海の彼方より現れ、村に富と平和・繁栄をもたらすのだそう。 その名は弥勒菩薩が由来ですが、姿や役割は布袋やえびすを思わせますね。 * 他にも、沖縄・宮古・八重山諸島には個性的な来訪神がたくさん。 多くは仏教伝来以前の、自然崇拝や聖霊信仰に基づくもの。 主に夏から秋の祭祀に登場し、五穀豊穣や厄除けの願いを叶えてくれます。 ただし、部外者が見てはならない神様もいますので、ご注意を。 * #ちむどんどん #ちむどん #ちむどんどんまめ知識 #ミルク神 #弥勒世 #弥勒世果報 #来訪神 #まめ書房 #mameshobo #mameshobochimdondon  前へ 次へ

「ちむどんどん」まめ知識 第41回

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 今日の「ちむどんどん」より、結婚生活の愚痴をこぼす良子。 “長男の嫁”の役割が大変、という話がありました。 確かに沖縄では、伝統的に長男(嫡子・チャクシ)が特別扱いされ、その妻は大変なのだとか。 * なぜなら、長男が「位牌の継承」という一族の最も大切な役割を担うから。 そのため親戚の中でも重んじられ、先祖供養の行事の中心で、財産も多く相続するそう。 しかし”長男嫁”には負担が多く、義理の親との同居・行事の準備や片付け・夫が子どもの頃から甘やかされていて頼りない…などの苦労が。 * 沖縄の長男重視は伝統的な価値観であり、それに則って一族が結びついてきました。 しかし現代の視点では、兄弟間の不平等や、ジェンダー不平等にあたるでしょう。 沖縄の人々の間でも様々な意見があるよう。 長男や長男嫁の役割も、時代と共に変化していきそうです。 * 参考)世界の中の沖縄文化/渡邊欣雄 トートーメーの民俗学講座/波平エリ子 おきなわキーワードコラムブック 笑う!うちなーぐちFAX小全2 * #ちむどんどん #ちむどん #ちむどんどんまめ知識 #長男 #嫡子 #長男嫁 #まめ書房 #mameshobo #mameshobochimdondon  前へ 次へ